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古書展

古書展を開いているのはたった二日か、デパート展でも六日間にすぎないが、 一か月前にはすでに誰もが例外なく最低でも二、三日は目録品の原稿書きに費やしている。また、開催日が切迫した頃には、その札紙書きにも一日か二日はかかっている。それから、開催日一週間前からの電話注文の受付け。そうして前日の並べ、注文
書展品の整理と抽選の仕事、開催期間の店番と終ってからの片付げの重労働。これは大げさに言ってい
るのではない。一店舗ほどの荷物を、古本屋は二日間〈デパート展で六日間〉出品するだけのために、まるで神風のような迅速さで並べ、撤収しなくてはならないのだ。そうだ、古書展の仕事はまだ終っていなかった。閉展翌日の地方客への発送と、抽選にはずれた客への丁重な返事を書くのだ。古本屋は組合の古書会館で開催する二日制の古書展でさえ、最低で五日、少し頁数や台割を多く持とうとするなら延べ十日前後は日を費やすことになる。莫大に経費のかかるデパート展に至っては、延べ長低で十五日はかけなくてはならない。勿論、ここには、さきほどの二日制の古書展ともども一週間の電話注文を受ける家人の手聞は入れないでの話であって、たまたま独身者がこの仕事
をすると仮定すると、自分が電話番をしない限りは誰か一週間のアルバイトを置かなくてはならないわけだ。